沖縄こどもの国、天然記念物ダイトウオオコウモリの出産映像を世界初記録
ダイトウオオコウモリ出産映像を世界初記録

沖縄こどもの国は21日、国の天然記念物に指定されているダイトウオオコウモリを飼育下で繁殖することに成功したと発表した。5月30日に雌の幼獣(赤ちゃん)が誕生した。同園は2024年に世界で初めてダイトウオオコウモリを飼育下での繁殖・育成に成功しており、今回が2例目となる。今回は、出産前から継続的に観察し、破水から出産までの過程を映像として世界で初めて記録したという。

データ蓄積、技術向上へ

記録できた出産映像をはじめ、繁殖や行動、幼獣の成長などのデータを継続的に蓄積し、生態の解明や飼育下の繁殖技術の向上へつなげていく予定。

ダイトウオオコウモリはクビワオオコウモリの亜種の一つ。南大東島と北大東島だけに生息する大東島諸島の固有の亜種で、国内希少野生動植物種に指定されている。

救護の連携リレー、新たな命に

幼獣の両親はいずれも、南大東島でけがを負った状態で住民や村教育委員会が保護し、日本トランスオーシャン航空や琉球エアーコミューターとの連携協定を活用して本島へ航空搬送した。県や環境省などが連携し、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄など獣医らが治療して回復した。関係機関のリレーにより、新たな命が誕生することにつながった。

同園は、公益財団法人JAC環境動物保護財団の助成を受けてダイトウオオコウモリの飼育施設を整備し、展示を4月20日ごろから開始していた。赤ちゃんは母と一緒に展示施設にいる。

南大東島、北大東島の子どもたちをはじめとした住民を対象に、オンラインのプログラムを通じて、沖縄こどもの国の動物園で得られた知見を生息地の大東諸島に還元し、野生個体群の保全や普及啓発を図る。

未来へつなぐ成果

記者会見を開いた新里智昭園長は「長年、関係機関が取り組んできた救護活動とネットワークの成果だ。救護された命が治療を受け、新たな命が誕生した点に大きな意味がある」と語った。

NPO法人どうぶつたちの病院沖縄の長嶺隆理事長は「繁殖し、未来へつなぐことに関わり、うれしく思う」と話し、住民や関係機関の連携に感謝した。