東大への「もう1枚のチケット」推薦入試で合格 アニメへの情熱を武器に 肥後翔太さん
東大への「もう1枚のチケット」推薦入試で合格 肥後翔太さん

沖縄出身の東大生の素顔や歩んだ道のりに迫る連載「沖縄発 東大合格 つかみ取った島の若者たち」。第2回は小中一貫の開邦中学・高校から推薦入試で東京大学に進学し、大好きなアニメへの情熱を胸に、「無根拠な勇気」で夢に向かって突き進む肥後翔太さん(20)のエピソードを前後編に分けて紹介する。

小学5年生の担任の一言が原点

肥後さんが東京大学を目指したきっかけについて、「原点になっているのは、小学5年生の時の担任の先生の一言ですね」と振り返る。当時は南城市で暮らし、そのまま地元の中学校に進学する予定だった。「中高一貫校を受験するなんて全く考えていなかったですし、もちろん東大なんて自分には関係のない世界だと思っていました」と話す。

「でもある日、担任の先生から『算数が得意だし、開邦中学校を受けてみたら?』と提案されたんです。開邦は県内でも有名な公立の進学校で、東大生も毎年1人か2人は輩出している学校だと教えてくれました」と説明。「僕の中で初めて『東大』という存在がうっすらと視野に入ってきたように思います」と語った。

クイズと囲碁将棋で知識を深める

中高時代について、肥後さんは「東大を目指す上では、中学に入学して出会った同級生の影響が大きかったです」と話す。「その友達はすごくクイズが得意な子で、当時から『俺は東大に行く』と明言していたんです。その子と一緒にクイズに没頭するうちに、『じゃあ、僕も東大に挑戦してみようかな』と自然と思うようになりました」

高校時代はクイズ研究会に所属し、友人とチームを組んでクイズ大会に出場。沖縄県の中高校生向けクイズ大会「RyuQ Youth(琉球ユース)」で2年連続優勝したほか、金融の知識を競う「エコノミクス甲子園」では全国大会に進み予選5位に入った。囲碁将棋部も掛け持ちし、高校3年では部長を務め、囲碁の団体で全国高校総合文化祭にも出場した。

「チャンスがあるなら最高峰を目指す」

本格的に東大受験を決意したのは高校2年の夏だ。「明確に『東大に行くぞ』と自分の中で決めたのは、高校2年の夏です。当時は進路にすごく悩んでいた時期で、友達や先生と話しながら真剣に自己分析をしてみました」と振り返る。

「当時の自分の学力だと、いわゆる他の難関大は合格ラインに届いていましたが、東大や京大レベルとなるとまだ合否が分からない『チャレンジレベル』でした。でもその時に、『もし目指せるチャンスが少しでもあるなら、そこ(最高峰)を目指して全力でやってみよう』と覚悟が固まっていきました」と語った。

推薦入試は「もう1枚のチケット」

肥後さんは推薦入試(学校推薦型選抜)で合格した。推薦入試の仕組みについて、「僕もはじめは推薦入試の仕組みをよく知らず、高2の終わり頃に、東大に『学校推薦型選抜』という制度があることを知ったんです」と話す。

「学校で開かれた講演会で、東大に進学した先輩が『推薦入試に挑戦するというのは、一般入試とは別にもう1枚合格のチケットをもらえるようなもの。考えている人は絶対に活用したほうがいい』と話していて、それを聞いて『選択肢が増えるならやらない手はないな』と思ったんです」と説明。「それで、高3に上がる前の春休みに詳しく調べました」

東大の推薦入試は特定の高校だけに与えられた枠ではなく、全国どの高校でも出願資格がある。一つの高校が推薦できる人数に限りはあるが、各学部が設定した条件をクリアし、学校長の推薦がもらえたら出願できる仕組みだという。肥後さんは「開邦とか昭和薬科じゃないと推薦入試を受けられないということはありません」と強調した。