住み慣れた地域をどう良くしていくのか。地域の課題解決に向けた施策を有権者に大いに語り、議論を深めてほしい。選挙を通じた活発な論戦は地域の課題を照らし出す近道だ。
立候補予定者、4市議選に137人
9月13日の県知事選と同日選挙となる沖縄の統一地方選は、投開票日まで残り約1カ月と迫った。琉球新報の調べによると、4市議選(定数104議席)に137人、23町村議選(同260議席)に275人が立候補を予定している。
沖縄が人口減少局面に転じた中で迎える統一地方選となる。前回2022年選挙は、新型コロナウイルスの影響を受けて、有権者との触れ合いが制限される中で実施された。
住民に最も身近な行政単位
住民にとって市町村行政は、最も身近な行政単位であり、地方議会のチェック機能は住民サービスに直結する。持続可能な地域づくりや経済、住民福祉の向上に向け、今後の各市町村の在り方が問われる重要な選挙だ。
気掛かりなのは、無投票の可能性がある町村が多いことだ。23町村議選のうち、半数に当たる12町村で、立候補予定者数が議員定数と同数か、下回っている。前回22年の選挙で無投票は与那国町だけだった。
新人の割合低下、女性議員も低調
水面下で立候補を模索する動きもあるが、無投票となる選挙の数は増える可能性がある。選挙を通じた行政参加は地方自治の根幹をなし、地域の活性化を促す。無投票はそれと逆行するものだ。
24市町村議選があった4年前は立候補者のうち、新人が占める割合は31.3%だった。今年は現時点で新人は立候補予定者全体の27.1%にとどまり、前回から4ポイント近く低下している。
前回選挙の立候補者418人の平均年齢は57.4歳だった。新人の割合が減少すれば、平均年齢がさらに上昇する可能性もある。選挙日がずれるなどして、対象市町村が異なるため単純比較はできないが、若い人が地方議員へ挑戦する機運の低下は否めないだろう。
女性議員の割合も、町村議選で15.6%、市議選で17.5%と低調で推移している。男女比で極端な差がある現状は、多様な意見を市町村の政策に生かす機会の損失につながる。
なり手不足は全国的な課題
地方議員のなり手不足は全国的な課題となっている。沖縄と1年ずれて実施される全国的な統一地方選は、前回2023年の道府県議選で25%、町村議選は30.3%が無投票当選者だった。沖縄でも同様の傾向だ。
人口減少、待遇面、仕事との両立の難しさなど構造的、経済的な課題が複雑に絡み合う。何よりも、地方議員の仕事が有権者にとって、身近なものなのか振り返る必要がある。議会として政策立案能力や発信力を高め、住民に分かりやすく説明する方策も選挙戦を通して考えたい。
幅広い視野での政策論争を
投開票日が集中する9月13日は知事選、本部、大宜味、伊是名の首長選挙、県議補選が重なる。地方選の立候補者には、地方自治から県全体の発展まで、幅広い視野での政策論争を期待したい。