知事選・物価高対策 暮らし支える議論深めて
知事選・物価高対策 暮らし支える議論深めて

県知事選は13日の投開票まで10日を切った。6人の候補者は県内各地で有権者へ政策を訴えている。新人で前那覇市副市長の古謝玄太氏、現職の玉城デニー氏を軸とした選挙戦となっている。

大きな争点の一つが、物価高対策をはじめとした県民の暮らしに関する政策だ。特に困窮する世帯や子育て世代へ効果的に支援を届けるために、政策論議をさらに深める必要がある。

物価高が県民の暮らしを直撃

全国的に経済の低成長が続き、実質賃金が伸びない中で、ウクライナ戦争以降の物価高が県民の暮らしを直撃した。記録的な円安が輸入品などの価格を押し上げ、中東情勢の悪化による石油製品の供給不足も県経済に大きな影響を与えている。

一方で賃金は物価上昇に追いついていない。沖縄の最低賃金は依然として全国で最低水準だ。

県知事選でも物価高対策への関心は高い。琉球新報社とJX通信社が実施したインターネット調査で、「重視する政策」に「経済・雇用・物価高対策」を挙げた人は46・9%で最も多かった。

候補者の対策は

物価高対策について、古謝氏は「直接の支援とともに、価格そのものを下げる政策を実施する」との方向性を示す。生活困窮、子育て、高齢者世帯への迅速な生活支援給付とともに、揮発油税の軽減措置延長、離島県という事情を踏まえた物流コストを支える仕組みの創設などを掲げた。

玉城氏は2025年11月以降、当初予算や補正予算として504億円を確保し、早期の執行に努めていると強調。今後は「直ちに補正予算を編成し、重層的かつタイムリーな支援を強化する」とし、生活困窮者やひとり親家庭への緊急生活支援などに取り組むとした。

県経済の成長に向けて

国が予定する飲食料品の消費減税などの対策もあるが、県としても県民生活や県経済の実態に応じたきめ細かい取り組みが可能だろう。

困窮者らへ向けた緊急的な対策に加え、長期的な視点から県経済を強固にしていく施策も求められる。競争力を持った付加価値の高い人材、企業の育成が不可欠だ。沖縄で生じる需要を県内企業が取り込み、生み出した利益を人や設備に投資して次の成長につなげる。経済の循環に向けた仕組みづくりや危機に強い産業構造を導く役割が、県知事に求められる。

琉球新報、沖縄テレビ放送、ラジオ沖縄が開いた公開討論会で主要な候補が経済政策を訴えた。

古謝氏は「1人当たり県民所得の倍増」を掲げ、中小企業のDX化などによる高付加価値化や観光の質の改善を図ることなどを訴えた。

玉城氏は2期8年間の実績を挙げ「ザル経済からの脱却」を掲げる。経済成長の恩恵が県民に行き渡る循環型経済の構築などを主張した。

困窮世帯などへの支援の必要性については共通しているが、県経済を成長させる展望や手法には違いが見られる。候補者は有権者の選択を助けるよう、さらに政策を具体的に訴えてほしい。各候補の主張に引き続き耳を傾け、一票を投じたい。