[社説]知事選スタート 政策本位の論戦を
[社説]知事選スタート 政策本位の論戦を

1972年の復帰以降、15回目となる沖縄県知事選が告示され、新人で元那覇市副市長の古謝玄太氏と、3期目を目指す玉城デニー氏ら、過去最多となる6人が立候補した。

事実上の一騎打ちの構図

選挙戦は、自民、日本維新の会、国民民主、参政、日本保守の5党のほか公明県本から推薦を受ける古謝氏と、「オール沖縄」勢力の立憲民主、共産、社民、いのち(旧れいわ)、社大が支援する玉城氏の事実上の一騎打ちとなる。

離島県の沖縄では、燃料高騰や物価高がさまざまな面で影響を及ぼしている。両氏は第一声で、経済や暮らしを守る施策を重点的に訴えた。

両氏の第一声

古謝氏は県庁前で、物価高や交通渋滞、子育ての負担に悩む県民の声を聞いてきたとし「今の県政では課題解消が前に進まない」と強調。国や県外資本のせいにして暮らしが良くならないと嘆いても変わらないとして、スタートアップ支援など「自分たちの手で沖縄の未来を描こう」と訴えた。

玉城氏は本部町での第一声で、非課税世帯の中高校生バス・モノレール運賃無償化や、給食費・子ども医療費低減への取り組みなど2期8年間の実績を強調。3期目はこれら制度の対象外にも支援を広げるとした上で、「辺野古反対は変わらない。基地問題の解決も諦めない」と訴えた。

基地問題と投票率の課題

普天間飛行場の返還合意から30年が経過し、新基地建設を巡っては国と県の訴訟が全て終結し工事が進む。一方、米側は長い滑走路がなければ返還しない意向を示すなど新たな問題も浮上している。嘉手納基地ではパラシュート降下訓練の「常態化」や旧海軍駐機場の使用など日米合意を無視するような運用も続く。

防衛強化策の下で日米共同訓練も大規模化し、米軍や自衛隊の空港・港湾利用が増えている。米軍基地が集中する沖縄の知事は、県民生活や地域の安全を守る立場から常に国策とのバランスが問われてきた。県民が実感できる基地負担軽減を日米政府にどう実現させるのか、明確な道筋が求められる。

知事選の投票率は漸減傾向にあり、前回は過去2番目に低い57.92%だった。「誰に投票しても変わらない」との諦めや無関心の広がりが懸念される。今回は討論会に参加予定だった立候補予定者が告示日前々日に取りやめを表明したこともあり、構図も大きく変わるなど不透明感が漂う。

沖縄の未来を選び取る選挙として、有権者の選択にかなう政策本位の論戦が望まれる。