沖縄県知事選挙が8月27日に告示され、今後4年間の県政のかじ取りを担う知事を決める選挙戦が始まる。今回は過去最多の候補者が立候補する見込みで、明日からは期日前投票も始まる。投票日は9月13日で、それまでに候補者の政策や人となりを見比べ、一票を投じることが求められる。
過去最多の候補者、玉城氏と古謝氏の一騎打ちに
今回の知事選は、1972年の日本復帰以降15回目となる。これまで沖縄の歴史は米国の戦略や日本政府の政策に大きく翻弄されてきた中で、知事は常に中央との関係を問われながら、県民の幸せのために判断を迫られてきた。
戦後81年、復帰54年を迎え、沖縄の針路を問う重要な選挙となる。世界情勢では覇権主義が横行する中、過去の教訓に学び、現在の環境に向き合って将来を見据える必要がある。
今回の選挙戦は、国政政党から推薦や支援を受ける現職の玉城デニー氏(66)と、新人で前那覇市副市長の古謝玄太氏(42)の2氏を軸に展開される見込みだ。
下地氏の突然の不出馬表明に疑問の声
告示直前の土壇場で、元衆院議員の下地幹郎氏(65)が立候補取りやめを表明した。これまで候補者討論会などで自民党の施策を批判してきた下地氏が、自民党と政策協定を結んで選挙戦から下りたことに対し、自民党の西村康稔選対委員長は「保守系がワンチームとなって、県政奪還を目指す」と語った。
下地氏は古謝氏の支援を明確に表明したが、突然の不出馬は有権者の理解を得られず、政治不信を招く恐れがある。選挙をないがしろにした行動と言わざるを得ない。
主要課題で対立する両氏の姿勢
玉城氏と古謝氏は、経済政策や安全保障などの主要課題で姿勢を異にしている。物価高対策では、玉城氏は生活困窮者やひとり親世帯への緊急生活支援を挙げ、古謝氏は生活支援給付と揮発油税の軽減措置の延長を挙げた。
米軍普天間飛行場返還に伴う辺野古新基地建設には、玉城氏は反対、古謝氏は容認の立場だ。自衛隊の配備強化に対しては、玉城氏は反対、古謝氏は負担軽減と丁寧な説明が前提としている。
ほかにも出馬予定の候補者がそれぞれ政策を訴えており、それらの主張も踏まえて知事を選ぶ必要がある。
投票率向上が焦点に
投票率の向上も大きな注目点だ。近年、全県的な選挙では投票率が下がっており、県知事選はかつて80%超だったが、2022年の前回選挙は過去2番目に低い57.92%まで低下した。
全国的に「政治と金」の問題が取りざたされる中、誰に投票しても何も変わらないという虚無意識も広がっている。今回の告示直前の立候補の動向を冷静に見定め、多くの県民による政治参加が求められる。それが多様な意見を反映させて歩む道を考える民主主義社会の実現につながる。