那覇空港で18日午後、航空自衛隊那覇基地所属のF15戦闘機が着陸時に主脚を破損し、滑走路上にとどまって動けなくなるトラブルが発生した。海側の第2滑走路が民間機の利用も多い時間帯に4時間以上閉鎖された。旅客機に欠航や発着遅れが相次ぎ、少なくとも7千人以上に影響が出た。
事故の経緯と影響
ニュース映像によると、南側から滑走路に着陸した戦闘機は白煙を上げながら滑走し、機体を回転させた。その後、進入時と逆向きで停止した。ミサイルを搭載していた。大惨事になりかねない事故で、早期に原因を究明し、再発防止につなげなければならない。
那覇空港は3000メートルと2700メートルの2本の滑走路を持つ沖縄本島唯一の民間空港だ。年間着陸回数は国内線・国際線合わせて8万3859回(2025年度)で、東京(羽田・成田)、関西、福岡に次いで国内で5番目に多い。
軍民共用の実態
那覇空港には空自那覇基地が併設されており、空自の戦闘機のほかに陸自のヘリ部隊や海自の哨戒機も常駐する。空自は2016年に、それまでの1個飛行隊20機体制から2個飛行隊40機体制に強化された。陸海空自衛隊と事実上の「軍民共用空港」だ。自衛隊機の着陸回数では全国最多となっている。
今回の事故で「軍民共用」に伴う危険性が改めて顕在化した。事故機は対領空侵犯措置の緊急発進(スクランブル)から戻ったところだった。領空侵犯の恐れがある外国機に対処するスクランブルは増えている。緊急対応が事故に何らかの影響を及ぼさなかったかも含めて究明が必要だ。
過去のトラブルと今後の懸念
これまでも那覇空港では、自衛隊機による民間機との事故やニアミス、滑走路逸脱などのトラブルが絶えない。1985年には離陸しようと滑走路に進入した空自機が、着陸直後の民間機に接触し、民間機はエンジン下部が損壊した。2018年には空自機が、管制からの待機の指示を誤認して滑走路に進入し、民間機が着陸許可を取り消された。
24年には、日米共同統合演習に参加する陸自の輸送機V22オスプレイが初めて那覇空港に飛来した。防衛省は那覇空港で陸自オスプレイによる操縦や飛行の訓練を計画しており、航空法に定める高度以下での低空飛行訓練も予定する。
有事の際に自衛隊や海上保安庁が利用するためにインフラを整備する「特定利用空港・港湾」に那覇空港も指定されている。米軍普天間飛行場の返還条件である「長い滑走路」の空港としての活用も取りざたされる。
沖縄経済の根幹を支える那覇空港が近年、安全保障の拠点としての機能が強化されつつあるように見えてならない。国内航空路線の主要な基幹空港である那覇空港が「軍民共用」のままでは沖縄の経済発展にも支障を来す可能性がある。ましてや有事の際の利用を前提とした整備を進めることは許されない。ジュネーブ諸条約にうたう軍民分離の精神をいま一度確認すべきだ。