沖縄県知事選は9月13日と14日の投票日を目前に控え、交流サイト(SNS)上で候補者に対する誹謗中傷や誤・偽情報の広がりが問題となっている。X(旧ツイッター)の投稿は昨年の宮城県知事選の約3倍に上り、発信地の9割が県外であることも明らかになっている。
県外からの投稿が9割、誹謗中傷も目立つ
宮城県知事選ではSNSで誤・偽情報や誹謗中傷が飛び交い、選挙後のアンケートでは投票した7割余りがこうした情報を見聞きし、うち半数近くが投票に影響したと答えた。沖縄県知事選でも、基地負担の軽減を求める候補者の主張に対し「反日」「中国の味方」などのレッテルを貼る投稿が目立つほか、AIで作った偽映像や発言の一部を切り取って意味を変えた動画も拡散している。
沖縄に対する無理解や偏見が、知事選という機会に表面化している形だ。選挙期間中の誤・偽情報は、民主主義の根幹である選挙の公平性を揺るがすことから看過できない。
若者の懸念と拡散防止の冷静さ
沖縄タイムスのアンケートでは、10〜20代の有権者の約半数がSNSで情報が錯綜していることに懸念を示している。このままでは若者が選挙への関心を失いかねず深刻だ。誤・偽情報を投稿する側については厳しく問われるべきだ。
一方で、誤・偽情報と知らずに拡散してしまう場合もある。驚くようなニュースや怒りを覚える投稿を見つけた時ほど、すぐに拡散せず、いったん立ち止まる冷静さが求められる。
法改正の施行は来年、有権者にできること
7月には改正公職選挙法と改正情報流通プラットフォーム対処法が成立し、SNS事業者に虚偽情報による悪影響を軽減する措置を義務付ける内容となった。ただし、施行は来年3月1日で、今回の知事選には間に合わない。
SNSは既存メディアでは届きにくかった声を社会に届ける道具にもなっている。有権者に必要なのは、「誰が言ったのか」「根拠は何か」「元の資料はあるのか」と調べることだ。さらに、自分の好みや関心のある情報ばかりが表示され、異なる意見に触れにくい「フィルターバブル」に陥りがちだということを自覚し、他の情報源にも着目する必要がある。
正しい情報を得るために、まずはスマートフォンを置いて、選挙公報や新聞、テレビの報道など従来の媒体にも目を向けてみてはどうだろうか。今回の知事選には6人が立候補しており、可能なら街頭演説にも足を運び、自分の目や耳で政策などを確認してほしい。
4年間の県政を誰に託すのか、暮らしと沖縄の未来を誰に任せるのか。虚偽や憎悪によって選挙をゆがめてはいけない。正確な情報で投票先を選んでほしい。