知事選・新基地問題 重い選択、国民も自省を 社説
知事選・新基地問題 重い選択、国民も自省を

米軍普天間飛行場の返還に伴う代替施設建設問題は、1998年から前回2022年の県知事選の主要な争点となった。今回も辺野古新基地建設を容認する新人の古謝玄太氏と、建設反対を掲げる現職の玉城デニー氏の間で論戦が続いている。

県民に課せられた重い選択

日本全体の問題である安全保障政策に関して、県民は今知事選でも重い選択に臨まなければならない。一地域に負担や犠牲を強いる安全保障政策は健全とは言い難い。このままでいいのか、政府のみならず国民全体の自省を求めたい。

日米両政府が1996年4月、県内移設を条件に普天間飛行場の全面返還に合意して既に30年の年月が経過した。

計画変更の背景と工事の現状

この間、代替施設案は撤去可能な海上ヘリポート、県民の財産となる軍民共用空港を経て、名護市辺野古沿岸部に建設する現行のV字型滑走路となった。海上や沿岸部に大規模な代替施設を建設する事業自体の困難性と、根強い県内移設反対の県民世論が、2度の計画変更の背景にある。

大浦湾側の軟弱地盤が確認され、新基地計画の実現性が困難視されている。総事業費9300億円の約9割が既に支出済みで、工事の長期化と事業費のさらなる膨張が見込まれる。地盤改良のための設計変更承認をめぐって県と政府の間で法廷闘争にもなった。

過去の知事選と県民投票の結果

辺野古問題が争点となった知事選では2010年の仲井真多弘氏が「県外移設」を訴えて当選。14年の翁長雄志氏、18年、22年の玉城氏が新基地建設反対を訴えて当選した。新基地建設に向けた埋め立ての賛否を問う19年の県民投票でも反対が多数を占めた。しかし、政府は「辺野古唯一」に固執し続ける。

辺野古問題を争点とす知事選は今回で8度目である。普天間の返還前の危険性除去を確実に進める方策、現在の新基地建設計画の合理性や自然環境への影響などが論点となる。過去4回の知事選や県民投票で示された沖縄の民意には沿わず、工事を進める政府の姿勢を問うことにもなろう。

両候補の主張と今後の焦点

古謝氏は「工事が進み裁判も終結している中で別案を検討し直すことは返還を遅らせることになる。政府には返還時期の明確化を求める」として、新基地建設による危険性除去を訴える。

玉城氏は「辺野古移設では普天間飛行場の早期返還は実現できない。即時運用停止、閉鎖返還を求める。民意に反する辺野古新基地建設に反対を貫く」とし、政府との対話追求を掲げる。

現在、焦点となっているのが普天間飛行場返還に関する8条件である。中でも新基地の1800メートル滑走路の機能を補完する長滑走路の確保が普天間返還の前提となっており、新基地完成後も普天間は返還されない可能性がある。在沖米軍幹部の間からも普天間継続使用を求める声が上がる。

新基地建設容認の古謝氏はこの点について自身の見解をより鮮明に有権者に示してほしい。玉城氏も新基地建設阻止の具体的方策を明確に有権者に示す必要がある。