<社説>知事選・経済振興 公約実現への道筋示せ
<社説>知事選・経済振興 公約実現への道筋示せ

知事選まで1週間を切った。各候補者はこれからの沖縄振興にどのような姿勢で臨むのか、知事選の重要な争点である。県内の最低賃金が依然として全国下位の水準にある中、経済政策への県民の関心は高い。

候補者の公約と実現性への疑問

新人で前那覇市副市長の古謝玄太氏、現職の玉城デニー氏がそれぞれの公約を掲げて論戦を展開している。有権者は、政策の実現性をしっかり見極めることが必要だろう。

古謝氏は「10年で県民所得倍増」を掲げる。沖縄の独自性を生かした「新5K経済」を提唱、観光、健康、環境、海洋、起業の5分野を振興の柱とし、中小企業の高付加価値化などによる経済成長も図るとしている。経済界が進める「ゲートウェイ2050プロジェクツ」を県政としても推進し、経済成長を目指すとしている。

玉城氏は、企業の「稼ぐ力」の強化や、スタートアップ支援などに取り組み、県民所得を向上させることを掲げる。中長期を見据え、マリンタウンMICEエリアの形成や新たな公共交通システムの構築なども掲げている。さらに、農林水産業のDX、ブランド化の推進、先端半導体設計部門・関連産業の誘致などにも取り組むとしている。

沖縄振興計画と一括交付金の論点

候補者は、これらの公約の実現性をどう担保し、具体化させるのか、有権者にしっかり道筋を説明する責任がある。

知事選では沖縄振興計画への対応も問われる。10年計画の第6次沖縄振興計画(新・沖縄21世紀ビジョン基本計画)は、本年度折り返しを迎えた。これまでの結果を検証し、新たな振興策の方向性を議論し、取りまとめる時期に来ている。新知事には、沖縄の将来を見据えた指針を県民に示すことが求められる。

自由度の高い「一括交付金」制度や、国への予算計上を内閣府が一本化する現在の「一括計上方式」について、どのような考えを持っているかも選挙の論点になる。

候補者の振興策への姿勢

古謝氏は一括交付金は「使い道を沖縄が決められる仕組みは地域の実情に応じた事業を可能にしてきた」として評価する立場。振興計画の中間見直しについては「先端技術を軸にした産業振興・社会形成」に力点を置いて議論を進めるとしている。一括計上方式は継続を求めつつ「将来的には見直しも検討」するとしている。

一括交付金制度について玉城氏も「全国一律の政策では解決困難な課題対応に大きく貢献している」と評価。第6次沖縄振興の中間見直しで「離島の移入コストに係る負担軽減の取り組み」を図ることを主張する。一括計上方式については「沖縄の自立的発展を目指す」上で「今後の在り方を不断に検討」するとしている。

戦後、27年の米統治を経て日本復帰して以降、最も所得水準が低く貧困層が多い沖縄。経済振興を考える際、集中する米軍基地の存在も避けては通れない。知事候補者は、中長期的視野で発展に向けた論議をしっかり尽くしてほしい。