那覇空港の軍民共用の現状を考えるシンポジウムが開かれた翌々日、航空自衛隊那覇基地所属のF15戦闘機が同空港第2滑走路に着陸した際、左の主脚が折れて動けなくなる事故が発生した。滑走路は4時間以上閉鎖され、計128便に遅延や欠航の影響が出た。けが人はなく大きな事故には至らなかったものの、那覇空港の「軍事利用」を巡る不安が改めて浮き彫りになった。
那覇空港の三つの機能と自衛隊強化
那覇空港は県内離島・本土・海外を結ぶ旅客輸送のハブであり、深夜の貨物輸送にも対応する国際物流拠点でもある。その一方で、対中抑止政策の南の航空拠点として自衛隊の機能強化が急ピッチで進められている。配備されているのは航空自衛隊の主力戦闘機F15や対潜哨戒機、警戒管制機、輸送ヘリ、救難ヘリなど。事故を起こしたF15はスクランブル(緊急発進)任務から戻った機体だった。
さらに、那覇空港には三つ目の機能が浮上している。普天間飛行場返還の条件として、米軍は緊急時に使用する長い滑走路の民間施設を要求しており、那覇空港がその候補地として取り沙汰されている。
政府の説明不足と国連軍基地化の懸念
米軍は、長い滑走路を用いた緊急時の民間施設使用が確保されない限り「普天間は返還されない」と強調するようになった。しかし政府は、民間施設がどこか、緊急時とはどのような事態か、使用形態はどのようなものかといった肝心な点を一切明らかにしていない。地元宜野湾市が普天間飛行場の返還時期を明らかにするよう求めたのに対しても、政府は期日を示さなかった。
「在日米軍基地」の著書を持つ川名晋史・大東文化大教授によると、在日米軍基地を米軍以外の国連軍に「また貸し」できるのも特権の一つだという。普天間飛行場の現有機能を維持するために那覇空港の使用権を米軍に付与し、日米が共同使用するようになれば、基地強化そのものだとして、返還合意の徹底検証が必要だと指摘している。