県内作家に発表の場を提供 CURIOSITIES OKINAWA店主ASKARTさん
県内作家に発表の場を提供 CURIOSITIES OKINAWA店主ASKARTさん

那覇市牧志の国際通り周辺にあるアジアン雑貨店「CURIOSITIES OKINAWA(キュリオシティーズオキナワ)」の店の奥では、県内作家がアート作品を出展する展示会が毎月開かれている。店主のASKART(アスカート)さん自身もアーティストで、マスコットキャラクターの「グータラ犬」をモチーフにしたグッズ・絵をはじめ、動物や沖縄の消えた風景などのイラストを展示・販売している。

路上アートから銀座へ

およそ20年前、20代のアスカートさんは路上にアート作品を描くグラフィティや、ストリートダンスに精を出していた。地元豊見城市で創作活動に励むなか転機となったのは、SNSを経由して東京・銀座のギャラリーオーナーに「出展しないか」と声をかけられたことだった。

「初めて県外の展示に行って生の会場に触れて、オーナーさんや作家さんとの交流からこの世界に入るようになったんです。もともとダンスをしてたので、作品を見せることへの抵抗感はなくて、『アピールしてナンボだ』と思ってます」。東京の展示で手ごたえを得てからは、ダンス大会の遠征と並行して県外で作品を出品するようになった。

沖縄に展示の場を

25歳のとき、沖縄の展示会を探していると自分の出られるイベントがないことに気が付く。「美術・工芸であるとか、その分野の関係者じゃないとなかなか展示会に出られなかったんです。個展をやるにもお金の壁があって、悔しい思いをしました。そこから、自分のアトリエ兼展示場所を作りたいと思うようになったんです」

2017年ごろ、美容師の母に勧められ店の開業を決意。展示のできる雑貨店・キュリオシティーズオキナワを立ち上げたという。開業から一年後、自身も出品していたギャラリーが店じまいするのを機に、他の作家を抱える形で展示会をスタートした。

作家を育てる

キュリオシティーズオキナワの展示会は毎月テーマが変わり、来る度に展示スペースの雰囲気がガラッと変わるのが特徴だ。会場ではさまざまな画風の作品がサラダボウルのように調和している。会場はアスカートさんの絵やステッカーも飾られており、一部の展示作品は購入できる。

「この方式にしたのは、作家さんやアートジャンルを育てるためでもあります。テーマがあるとお客さんが来やすいのも理由の一つですね」

「作家やアーティストは自分の扱いたいテーマだけ描きがちになる」とアスカートさん。沖縄にはアートに関心のある人口が県外と比べて少ないという現状がある。そのため、ニッチなテーマだけでは作品が評価されづらく、活動に限界が生じる。作家自身の可能性を高め、表現の幅を広げる練習としてもテーマ展示を行っているのだとか。アスカートさん自身も描いたことのないテーマを設定することもあり「僕にとっての練習でもあります」とほほ笑む。

「展示会をするにも、作家さんたちがいないと成り立ちません。作家活動は現実問題として、作品が評価されないとなかなか続けられないんです。県内の作家さんたちはクオリティーも高くて、どのテーマでも粘り強く出品してくれる方が多い。作家本人のため、県内のアート界隈のためにも、さらに名を上げてほしいと思っているんです」

8月12日から「オカルト展」が開催され、9月には食べ物をテーマにした「GOHAN展」を控える。「推したい作家を見つけに、気軽に見に来てください」とアスカートさんは呼びかける。